Sophie’s blog -Tennessee生活-

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2019年12月~、ひょんなことからアメリカ南部のテネシー州に住むことに/研究者の旦那さんと楽しみながらアメリカ生活に役立つ情報発信中!

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【後編】【アメリカ大統領選挙2020】初心者でもわかる!仕組みや用語、みどころについて徹底解説

みなさん、こんにちは!

 

本当は一つの記事にまとめたかったアメリカ大統領選挙の記事ですが、信じられないくらい長くなってしまったので、前編・後編に分けさせていただきました。

 

前回のおさらい

 

前編では、

  • 選挙はいつあるのか
  • そもそも政党は何があるのか
  • 赤い州・青い州ってどういう意味?
  • 2020年大統領選挙の候補者について

上記のことについて詳しく取り上げました!

まだ読んでいない方はぜひ、こちらの記事とも合わせて読んでみてください。

 

sophiemardi.hatenablog.com

 

【目次】

 

どうやって勝敗が決まるのか

有権者とは

アメリカ国民で18歳以上であれば、投票する権利があります。

多くの州では、事前に有権者登録(身分証明)をしなければなりません

 

このような規制は、共和党が導入を推奨しているために行われているんですが、不正投票を防ぐためと言いつつ、実は運転免許証など身分証明を提示できない貧困層の有権者の政治介入を阻む妨害なのではと民主党は主張しています。

2016年には約2億4500万人が有権者でしたが、実際に投票したのは1億4000万人未満。なかには投票”出来なかった人”も含まれていたのではないでしょうか。

 

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今回は、コロナの影響下での選挙ということで投票の仕方についても議論の対象になりました。全く根拠もなく、郵便投票を不正投票につながるとして反対姿勢のトランプ大統領。郵便投票の利用者は圧倒的に民主党支持者が多いとされているからでしょうか。11/3以降結果が出たとしても色々と波乱がありそうで目が離せません…

 

総得票数で決まらないって本当?

そう、アメリカは選挙人制度を取っているので得票数は勝敗にはリンクしていないんです!

(そんなの学校で習ったっけ?と、おゆとり世代ど真ん中の私は衝撃を受けてしまったのですが、みなさんどうですか?)


前回の2016年大統領選挙でも民主党のヒラリー・クリントン氏がトランプ氏より300万票近く獲得したのにも関わらず、負けてしまっているのです。

 

さて選挙人制度とは、まずアメリカ50州に人口ごとに「選挙人」の数が割り当てられています。選挙人とは【大統領を選出する権利がある人】のことを指していて、実は有権者は11/3の投票ではこの選挙人を選ぶことになるわけです。

 

『え、直接選んでるわけじゃないのか?』と思ってしまうのですが、ある意味形式的なもので、投票用紙にはトランプ、バイデン候補の名前が書かれており、実質直接選んでいることになります。そして選挙人もあらかじめ自身が選出される際に、どちらの候補に投票するかを約束している場合がほとんどなので、直接選挙と変わりないわけです。

 

そして大統領候補者はこの選挙人を何人獲得したかで勝敗が決まるのです!

大統領になるには、538人中過半数の270人以上を獲得しなければならないわけです。

この選挙人の取り合いが一番アメリカらしい選挙の見所でもあります。

 

 

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https://upfront.scholastic.com/issues/2020-21/092120/your-guide-to-the-electoral-college.html#880L より引用

上記のように人口に応じて州ごとに選挙人の数が決まっています。私の住んでいるテネシーは11人カリフォルニア州の55人に比べるとかなりの差があるように感じますよね。

 

大半の州(メイン州とネブラスカ州以外)が、【勝者総取り方式】を取っていて、その州で1票でも多くどちらかの党の選挙人への投票が多ければ、その州に割り当てられた選挙人定数を総取りすることができるのです。

 

例えば、カリフォルニアでは民主党への投票が多かった場合、共和党支持の選挙人がいたとしても、55人をすべて民主党候補へ投票する選挙人が選ばれることになります。対してテネシーでは得票数で共和党が圧勝し、11人を総取りしたとします。得票数はどうであれ、この場合、単純に比べると選挙人55人を獲得している民主党が優勢となるわけです。

 

なので、選挙人の多い州でわずかな得票数でも勝てれば、その選挙人を総取りできるので、選挙人の少ない州で負け続けても、逆転することができるっていうドラマがあるわけです。支持政党が変わるスウィングステートを制するまで勝負が最後まで分からない!それがアメリカ大統領選挙になります。

 

ただ、大量の死票がでてしまうこの制度を時代遅れだという人も少なくはありません。

現に、前回の選挙で総得票数のみであれば、民主党のヒラリー氏が勝っていたわけですから。共和党は改正には後ろ向きの様です。

 

重要なのはテレビ討論会?

大統領選挙の直前の10月ごろに3回にわたって、テレビ討論会が開催されます。候補者同士の直接対決を観ることのできる貴重な機会となります。

広大なアメリカで、有権者全員が候補者の話を聞くことは不可能です。なので、テレビの生中継を通じて両候補者の政策や方針、何と言っても人間性を観ることができるテレビ討論会は重要な役割を担っているのです。

 

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両候補は各質問・議題について制限時間以内に自身の意見を投げかけ、相手からの批判を巧妙に避けつつ、相手へも攻撃をする。さらには自身がもっとも大統領にふさわしいという姿をお茶の間へアピールします。この討論会の出来次第で支援者の心を掴めたかによって、選挙の結果に大きな影響を及ぼすことも多いのだそう。

 

また、候補者のパフォーマンスや魅せ方も重要で、過去有名な例だと1960年に行われた、共和党のニクソン副大統領と民主党のケネディ上院議員による討論会。

疲れた様子の険しい顔をしたニクソン副大統領よりも、溌剌とした爽やかで若々しいケネディ上院議員のほうが好印象だったため、大統領選に勝利したと言われているとか。

また、今でも討論会に参加する際の候補者のスーツは、清潔感があり権威や信頼感を感じさせるネイビー色がお決まりです。

 

また、すべての視聴者に届く言葉選びで話すこともポイントです。

正直なところ、真面目に公約の内容を話したところで国民全員が理解できるとは限りません。簡単なわかりやすい言葉や例を用いてアピールしていく。その点、トランプ氏が得意としているところで、政治に興味がなかった層も彼の自信満々な話しぶりとキャッチーなスローガンに心を持っていかれているわけです。

 

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2020年のテレビ討論会は最初から最後まで波乱の連続でしたね。

9月29日にあった第一回テレビ討論会では、両候補が話を遮りあい討論ではなく完全に【口論】と化していました。史上最悪の討論会ともアメリカでは報道されていました。終了直後に各テレビ局の記者が『アメリカの恥を全世界に知らしめてしまった、とにかく恥ずかしい』となど訴えていたのが、印象的でした。

2回目は10月15日に予定されておりましたが、トランプ大統領のコロナ感染と両陣営の対立により前代未聞の中止。3回目の討論会は10月22日にテネシー州にて無事開催されました。

1回目と比べると落ち着いた討論会となりましたが、何回かエキサイトしたトランプ氏のマイクが切られる状況に。バイデン氏も質問に対して具体的な回答をできずに、曖昧で頼りない印象を視聴者に与えてしまったのではとも感じました。結果はいかに。 

結果はいつわかるのか

通常は翌日未明には結果がわかることがほとんど。

ただ、今回はコロナウィルスによるパンデミックにより投票方式が変わり、郵便投票の割合が増えていることもあり、判明までに1週間以上、場合によっては数週間はかかるとされています。

 

このような事態は、今回が初めてではなく2000年大統領選挙でのブッシュVSゴアの戦いの際には、なんと1ヶ月以上もフロリダ州の票の数え直しを巡って法廷での戦いが続き、最終的にはブッシュ氏に軍配が上がるということがありました。

 

みどころポイントは激戦州に

アメリカ大統領選挙の見どころといえば、もうこれ!

前編で解説した赤い州青い州の章で出てきた、いくつかの紫色に染められた州【スウィングステート】をどう攻略するかなんです。

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-Wikipediaより引用

なかでも激戦州・スウィングステートの中でも選挙人29人と多い州である、フロリダ州は両候補が何が何でも取りたい州なのです。フロリダを制する者は選挙を制すると言われるほど。また、選挙人18人のオハイオ州も同じく。

 

前回の2016年選挙の際は、トランプ氏が民主党が伝統的に強いと言われていたミシガン州・ペンシルベニア州・ウィスコンシン州(いずれもラストベルトと呼ばれる寂れた工業地帯の州)にて、白人労働者の支持を集め大勝利。加えて、フロリダでも僅差で勝利をおさめたことから当選に結びついたと言われています。

 

この辺りの州に対してどうキャンペーンをしていくのか、支持者を増やすのかが大統領選挙の勝敗を握ります。前述の通り、アメリカ大統領選挙は総得票数では争いません!アメリカ全土を掛けた陣取りゲームを制するものが、勝利を手にすることができるのです。

日本で報道されていることが全てじゃない理由

日本でアメリカ大統領選挙のニュースを観ている皆さんは、現時点でどんな印象を持っているでしょうか。バイデン氏優勢?トランプ氏は破天荒で浮いた存在?共和党支持者も変わっている人々?私が、日本のニュースサイトや新聞記事を読んでいると受ける印象はこんな感じです。

 

ただ、それを報道している放送局はどこに拠点があるかご存知でしょうか。

多くは青い州(Blue State)に属する、ワシントンD.C.やニューヨーク、ロサンゼルスに海外支局を置いているんです。

 

例:NHK

NHKアメリカ総局(ニューヨーク)

ワシントン支局  

ロサンゼルス支局

 

見事に真っ青!!!ちなみにキー局もほぼ同じ。

どこの放送局も赤い州(Red State)と呼ばれる共和党が強い地域には、支局を置いていないんです。要するに、そこで得られる情報・周辺の市民への取材で得られる声に大幅な偏りが出てくるのも、正直否めないのがわかるかと思います。

 

現に、前回の2016年アメリカ大統領選挙の際には、直前まで民主党ヒラリー圧勝を報じていた日本の報道関係者が開票とともに見事に裏切られてしまうということが起きたんです。

そんなこともあり、今回の選挙では日本のメディアもアメリカの田舎にまで取材範囲を広げているとかいないとか。。

ぜひ、私の住んでいるテネシー州に取材をしにきてリアルなアメリカを知って欲しいななんて思ったり。伝統的に共和党が強い南部の支持者の声、この選挙に期待すること=今後のアメリカに期待することについて聞いてみると、都市部とかなり違った意見が聞けると思います。

 

ただ、アメリカ国内も似たようなことが起きているのも事実です。

この広大な国土で一つの放送局がニュースを網羅することは不可能に近いです。なので、各地方のテレビ局が独自のニュース番組・新聞等を制作し、それを市民たちは毎日観ています。おのずと、その土地柄好まれる政党にかかわるニュースや広告が多く放送されることになるのです。そして、位置情報によりグーグル検索結果の順序も変わっています。例えば、ニューヨークに住んでいる友人と、テネシー在住の私とでは【election 2020】という同じ検索ワードでもニュースフィードの順序に明らかな違いがありました。

 

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アメリカは本当に広大で、そこには様々なバックグラウンドを持った人々が暮らしています。どうか日本の報道だけや一つの情報源のみで、アメリカ大統領選挙やアメリカという国を判断しないで欲しいな、と僭越ながら在米の身として思うこの頃です。

 

日本とアメリカの選挙に関する圧倒的な違い

実際にアメリカに住んでみてこの大統領選挙を目の当たりにすると、国民の政治に対してや選挙に対しての向き合い方について、日本との大きな違いを感じることが多々ありました。私個人の所感となりますが、特に以下の点について紹介していきますね。

 

政治への参加意識の高さ

アメリカに来てまず驚いたのは、老若男女誰もが政治観について自分の意見を持っていて、それを自由にどんな場でもフランクに話しているということでした。

 

私は、渡米直後は大学付属の語学学校に通っていたのですが、大学敷地内で学生たちがそれぞれ支持する政党のブースを作り気軽なディスカッションを行っている場面を何度も見たことがあります。語学学校の先生も、授業前に『予備選挙に行って来て〇〇に投票してきたんだよね』という感じで、かなりオープンに話してくれました。

 

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また、現地就職後アメリカ人同僚との会話の中で自然と政治の話が出てきたりなど、本当に身近に選挙を感じることができ、この記事を書くことにもつながりました

もちろん、政治や選挙に興味がない層は日本と同じく存在します。ただ日本と比べても、その数は圧倒的に少なく感じます。

 

なんでなんだろうと考えたときに、一つ浮かんだのは4年ごとに必ず大統領選挙があり、それによって国民の生活も大きく変化し、左右される現実があるからという点です。頻繁に変わる与党により、方針もひっくりかえったり戻ったり。その影響は日々の生活に直結しています。自分の生活を守るためにも、積極的な政治参加で自分で大統領を選ぶんだ!という気概が感じられるわけです。

 

セレブリティも声を上げる華やかな選挙レース

次にアメリカでは多くのセレブリティが自身の政治観や支持政党を公にしています。中には、大統領候補の集会にも顔を出し、自ら投票を呼び掛けるスターも。これもあまり日本では見ない光景ですよね。

 

ただ、声を上げるリスクはアメリカでももちろんある様。

例えば、民主党支持を表明した歌手テイラー・スウィフト

彼女は長らく、キャリアの中で政治的発言を避けてきました。彼女が育った南部のテネシー州は赤い州の共和党支持者が多数の土地。また、カントリーミュージックに従事する人々は伝統的に共和党を支持する傾向がありました。過去にも彼女のように声を上げ、バッシングを受け引退に追い込まれる女性シンガーの存在もあり、公にすることに恐怖があったといいます。

(このエピソード、詳しく知りたい方はぜひNetflixのテイラーのドキュメント観てほしい!涙なしには観られない!)

www.netflix.com


そんなバッシングがありつつも、政治観を公表するセレブ。

なぜかというと圧倒的に影響力を発揮するからです。発言の直後に有権者登録の数が圧倒的に増えたり、関心のなかった層も動かせる。セレブと積極的に交流を持ち、支援を募るのも選挙戦を制するポイントなのかもしれません。

 

まとめ

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前編後編にわけてお届けした、【アメリカ大統領選挙2020解説】

当初はサクッと読めるまとめ記事を目指していたのですが、取り上げるキーワードそれぞれにドラマがあったり、個人的に伝えたいこともあり…こんな量になってしまいました。でもまだまだ語りたいこと、紹介したいことは尽きません。

ただ、すこしでも皆さんの知識が増えたり、他人事ではない日本の今後にも影響が出る(かもしれない)アメリカ大統領選挙に関心を持ったり、会社にて話せるネタが増えてくれれば本望です!

 

あと数日に迫ったアメリカ大統領選挙、どんな結果が出るか楽しみ(不安?)でもありますが、現地アメリカで見届けたいと思います。

 

読んでいただき本当にありがとうございました。

 

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